日本人の死亡原因のトップが「がん」であることを、皆さんもご存知でしょう。厚生労働省が発表する「人口動態統計年表」を見ても、平成29年に死亡した人の27.9%が、がんによるものです。がんは誰にとっても身近なリスクといってもいいでしょう。
とはいえ、一昔前ならがんは治らない怖い病気でしたが、現在では早期発見・早期治療により治る可能性の高い病気へと変わっています。がんに罹っても経済的な心配なしに治療し、社会復帰を目指せるよう、資金的な備えをしておくことが安心につながります。
そこで、がんの経済的負担に備える手段として、保険や共済への加入が挙げられます。がんを保障する保険・共済は、入院給付日数に上限が設定されていないものが多く、また、がんと診断されたときに一時金が出るので、治療の初期費用などに手当できます。さらに、通院治療の保障が手厚いと安心です。
がん治療には大きなお金がかかるというイメージがありますが、実際にはすべての健康保険制度に備わっている「高額療養費制度」(病気やケガの項目参照)により、実質自己負担額はかなり抑えられます。とはいえ、がん治療の主流は、大きな外科手術をともなう入院から、通院による抗がん剤治療や放射線治療へと移りつつあります。治療費以外に交通費などの出費もかさむことが考えられます。その点、まとまった資金が手当てできればそれらに使えるので、保険・共済を検討する場合、診断一時金や通院給付金・共済金が受け取れる商品を選ぶのは有効な手段です。
がんの治療費は高額というイメージは、健康保険対象外の「先進医療」がもたらしているのかもしれません。300万円程度かかる放射線治療もあり、「先進」と銘打っているだけに保険診療の放射線治療より効果がありそうですが、実際には「先進医療」は保険診療に加えて普及させられるかどうか、効果を実験している段階の治療です。備えないと不安とは必ずしも言えないことを知っておくと、経済的負担への不安は少し解消するのではないでしょうか。